背中。
 
 
 
■ 女性が男性の後姿に惚れたり呆れたりするように、女性の背中というのは、不思議な懐かしさを持っている。
 幼い部分が滲んでいるような錯覚を覚える。
 背中には生活がある。
 遠い日からの記憶がある。
 
 
 
■ 背後から背中に手を当てていると、子供の頃が視えてくることもあって、それは私自身の記憶でもあり、あずかり知らないその女性の生活であったりもする。
 暫くはそうしていても良いと思う。